ASCVD予防推進プログラム NEWS LETTER

2023年12月11日

No.03

平素はNPO法人北海道医療連携ネットワーク協議会の活動にご理解、ご協力いただき有難うございます。今回は、1) ASCVD予防推進プログラム患者データの回収状況、2)「あんしんお薬手帳」を生活習慣病管理指導に活用することの提案について、3) アプリ版あんしんお薬手帳、4) ASCVD予防推進プログラム総括のための「拡大運営委員会」開催、についてお知らせいたします。

1.ASCVD予防推進プログラム患者データ登録状況について

ASCVD予防推進プログラムに参加の20医療機関のうち現在までに4施設から44症例(受診記録総数118回)のデータを事務局にお届けいただきました。平均年齢70歳*、男女比1.7*、危険因子として経過が追跡されていた疾患の割合は、高血圧82%、糖尿病・耐糖能障害 82%、脂質異常症64%、経過で目標達成段階の向上が認められた症例は64%となっていました。目標達成と関連する因子については、全てのデータ回収の終了後に解析を予定しております。
(注*年齢と性別については匿名化のための黒塗りで不明の症例を除いた数値)
なお、助成金取り扱いの関係上、患者データの登録へのご協力に対してお支払いする謝金がお支払いできる期限が1月25日となっておりますので、データの送付が可能な施設の方々には1月10日までに事務局まで送付をお願いいたします。

2.あんしんお薬手帳を活用した生活習慣病管理料の算定について

「あんしんお薬手帳を生活習慣病管理指導に活用できないか」というお問い合わせを受けましたので、その実現に向けて作業を進めています。生活習慣病管理料は2002年に新設され、「脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者の治療においては生活習慣に関する総合的な治療管理が重要であることから、治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、服薬、運動、休養、栄養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に、許可病床数が 200 床未満の病院及び診療所である保険医療機関において算定する」とされています。外来患者に対して、同意を得て治療計画を策定し、生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定(脂質異常を主病とする場合 570点、高血圧を主病とする場合 620点、糖尿病を主病とする場合 720点)となっています。しかし、算定件数は全国的に増加しておらず(図1)、入院・外来医療等の調査・評価分科会でも算定促進に向けての対策が議論されています。
生活習慣病管理料の算定が増加しない理由はいくつか挙げられていますが、患者さんからの同意取得の必要性のほか、療養計画書作成の煩雑さがあります。療養計画書の様式は「別紙様式9またはこれに準じた様式とする」となっていることから、あんしんお薬手帳が、「これに準じた様式」に合致しているか北海道厚生局に問い合わせた結果、現行の手帳のみでは不十分という返答でしたが、手帳と併せて療養計画書として使用できるページ(別冊)の追加によって承認される見込みとなり、現在最終の調整を行っております。次回のNewsletterで詳しくお知らせできるよう努力いたします。

図1 令和5年度 第4回 診療報酬調査専門組織
入院・外来医療等の調査・評価分科会 資料

3.アプリ版あんしんお薬手帳

前回のNewsletterでお知らせしましたように、アプリ版あんしんお薬手帳の構成として、MySOSあんしんノートへ「あんしんお薬手帳」のコンテンツのうち危険因子、管理目標値、管理目標達成状況に関するものを追加し、処方箋情報については電子お薬手帳やTeamsと併用する方針としました。この方針に沿って11月29日にMySOSアプリ版あんしんノートが更新されておりますので、MySOSをご利用の方はアプリを更新のうえご確認下さい。MySOSあんしんノートを初めてお使いになる方は、本NPOホームぺージの「あんしんノート表示方法(https://hcp-meeting.jp/method)」をご参照願います。
更新されたMySOSあんしんノートには、新たに「診断名と目標値:あなたの情報・危険因子・目標」、「動脈硬化予防のための目標値(まとめ)」の項目が追加となっています。「危険因子・目標」の設定(選択)後に、血圧・血液検査の結果を入力すると目標達成状況(評価)が自動表示となり、その記録経過も併せて表示されるようになっています。その他にもMySOSあんしんノートには有用な情報が掲載されているほか、MySOSには救急医療に活用できる機能も多く備えられていますので、是非一度MySOSならびにMySOSあんしんノートをお試しいただければ幸いです。

4.ASCVD予防推進プログラム総括のための「拡大運営委員会」のご案内

ASCVD予防推進プログラムはNovartis Pharma Grants for ASCVD programの助成によって昨年度末に開始することができましたが、助成期間が来年1月中旬で終了するにあたり、これまでの活動の総括と、プログラムの継続に向けての課題を検討するための会議(ハイブリット形式)を、2024年1月11日 18:00~19:30、 TKP札幌駅カンファランスセンターで開催することといたしました。本プログラムの第4回運営委員会を拡大し「ASCVD予防推進プログラム拡大運営委員会」として、プログラムへご参加の医療機関ならびに薬局の方々にもご参加いただき、ASCVD予防推進プログラムの継続、内容の改善についてご意見を頂戴できれば幸いです。交通費の件を含め詳細につきましては別途お知らせ致しますが、是非ご参加をご検討のほどお願い申し上げます。

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