平素はNPO法人北海道医療連携ネットワーク協議会の活動にご協力いただき有難うございます。今回は、1) ASCVD予防推進プログラムにおける患者データ登録の終了のお知らせ、2)「あんしんお薬手帳」の活用に関するアンケートの結果、3) あんしんお薬手帳を活用した生活習慣病管理料の算定、4) ASCVD予防推進プログラム総括のための拡大運営委員会開催結果、についてお知らせいたします。
1.ASCVD予防推進プログラムにおける患者データ登録の終了について
ASCVD予防推進プログラムにご参加の医療機関の方々には既にお知らせしたところですが、患者データ登録は計画に従い2024年1月末日に了致しました。登録データの中間解析の結果は Newsletter No.3でお知らせしましたが、今後最終データを集計し、その結果につきましてはプログラムの総括と併せてNPOホームページでお知らせする予定です。
患者データ登録は終了致しましたが、「あんしんお薬手帳」とそのアプリ版「MySOSあんしんノート」は今後も継続利用をサポートさせていただきますので、ご要望につきましてはNPO事務局へお知らせ下さい。
2.あんしんお薬手帳の活用に関するアンケートの結果
アンケートは、2023年12月~2024年1月に、あんしんお薬手帳の利用者(医療関係者ならびに患者)を対象とした匿名化したアンケート用紙を用いて実施しました。アンケート用紙が回収できた86名(うち患者55名)の回答の集計では、あんしんお薬手帳が「治療目標の理解に役立った」との回答(「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計、以下同じ)が94%、「患者と医療者のコミュニケーションに役立った」が93%、「薬剤治療の向上に役立った」が87%であり、役に立ったと思うページとして、a)目標値、b)目標達成の経過、c)医師・看護師コメント、d)薬剤師コメント、e)治療の手引き(疾患・治療目標解説)を挙げた割合はそれぞれ、53%, 38%, 53%, 37%, 24%でした。一方、アプリ版の使用を希望する割合は37%でした。あんしんお薬手帳利用者は全体で200~400名程度と推定されアンケートの回収率は算出できていませんが、この結果からは、少なくとも一定数の利用者にはこの薬手帳の有用性が実感されており、このツールを今後も継続的に利用できるような体制整備が望ましいと思われました。
3.あんしんお薬手帳を活用した生活習慣病管理料の算定、について
前回のNewsletter No.3では、「あんしんお薬手帳を生活習慣病管理指導に利用する」ために手帳の増補・改訂を進めていることをお知らせしました。その後に北海道厚生局に再度相談を行い、手帳の増補部分(別冊)を修正、最終案を纏め、現行の「あんしんお薬手帳」に今回の「別冊」を併用することで、「生活習慣病療養計画書の別紙様式9に準じた様式」と認めていただけることになりました。また、今回の別冊の内容を追加した「あんしんお薬手帳」の改訂版の作成も今後検討してまいります。
生活習慣病管理指導への「あんしんお薬手帳」・「別冊」の利用法については、来年度改訂の診療報酬における生活習慣病管理指導料の要件について3月5日に発表がある予定ですので、その改定内容も踏まえてNPOホームページ等でお知らせ致します。
4.ASCVD予防推進プログラム総括のための「拡大運営委員会」の開催結果
プログラム運営委員に加えてプログラム参加の医療機関・企業の方々に参加していただいた「ASCVD予防推進プログラム拡大運営委員会」を2024年1月11日に開催し、プログラムの活動実績についての報告と、課題、今後の対策について議論しました。あんしんお薬手帳の配布数、作成したアプリ版の内容、あんしんお薬手帳登録データ中間解析の結果、利用者アンケート調査の結果からは、一定の成果が得られているという評価でした。一方、主な課題としては、プログラム参加施設の増加、病薬連携の強化、手帳に記載に要する時間の短縮の工夫、が挙げられ、また管理栄養士やリハビリスタッフが記載できる欄を設けること、eGFRの記載欄を追加することが要望されました。前述の課題への対策案として、生活習慣病管理加算へ利用できるようなあんしんお薬手帳の改訂、薬局企業との提携、患者に対する多職種連携の意義の啓蒙(市民公開講座などを含めた啓蒙活動)、などが提案され、今後NPOとして検討を継続することとしました。